私は「競争」という言葉は好きではありません・・・企業や組織の発展に“競争の原理”を導入してきた所は少なくありません。 勝ち組、負け組という言い方で分類するのはいいのですが、経済的な面だけで決めるのは正しいでしょうか?
その裏には、多くの落伍者を生み出していますね・・・その結果、「いじめ」そして「自殺」など多くの深刻な問題をも引き起こしていると思います。
ですから 幸福の尺度が物質中心、成果主義に流れていってしまう。その傾向は、何か大きなもっと大切なものを失っていくと憂慮しています。
人口が爆発的に増加した団塊の世代から少子高齢化の時代に移って来ると、余ってくるものが沢山ありますね。 学校なども小学校から大学に至るまで・・・至る所で校舎が余るという現象が出てきました。 あらゆる分野でこの現象が起こっていますね
歯医者の例にとりますと、人口が減るのに歯科医院は増えるという状況が進んでいます。
全国レベルでは、コンビニの数の2倍になろうとしている歯科医院の数。
歯科医師の余り現象が大変深刻な問題となっています。
特に、岐阜市はテレビで取り上げられるくらいの激戦区となっています。
昔は美濃の国、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康などが活躍した戦国時代の中心舞台の当地・・・今も、生存競争が激しいことは皮肉ですね・・・
結果的には二極化が進行して、どちらにも入れない医院は消滅していく運命のようです。
一方、新聞の記事で韓国における歯科事情を読んだのですが、歯科医師と経営者が別のところ例えば、経営コンサルト会社、建築会社が経営する歯医者が増えてきている有り様です。 又数人の医師によって共同経営する形態も増えている様子です。医療のポリシーよりも経営が優先の考えかたですね。
“都会では競争が激しい”こと、“女性の歯科医師が増えている”点などは日本と同じ現象ですね。
その韓国では 来年、2010年には歯科医師過剰になると言われている中で、どのように考えているのか?
ある医師は「私はアメリカで勉強してきたので、アメリカで働くことを考えています。」と、即答。
その合理的な発想は国際化などという単純な話ではなく・・・歯科医師の需給バランスが崩れた時、国外に仕事を求める・・・確かに野暮な過当競争で疲れるより、足りないで必要としている国や地域で活躍する。 私は、日本では、本当の医療の質の向上を目指す、独自性が豊かになり、ただ、「蹴落とすような競争よ、さようなら・・・」の選択が進行することを望みます。
※ 「人生大学」の本が、とても面白かったのでその感謝の気持ちです。と患者様のH様からの嬉しい頂き物です。
「各人は自分の仕事がどんなものかを吟味すべきです。そうすれば,他の人と比べてではなく,ただ自分自身に関して(自信もって)歓喜する理由を持つことになるでしょう。 人はおのおの自分の荷を負うのです」(聖書 ガラテア6章)
コメット歯科クリニック 副院長 金光 千寿子・○・o。o・。o○・○o。o・。o○・○o